リーンスタートアッププロセスで新たなスモールビジネスを開発しよう!

2024年3月27日

2020年1月9日

リーンスタートアッププロセスで新たなスモールビジネスを開発

新たなビジネスを開発する手法は日々、様々開発されていますね。最近、特に注目されているのは、「リーンスタートアップ」という開発手法です。短期間に低コストで製品やサービスを開発できるため、スモールビジネスを標榜しているビジネスパーソンにとってはうってつけのビジネス手法と言えます。

今回は、リーンスタートアップ手法の内容をあえて専門用語をなくして、わかりやすい言葉で解説します。

リーンスタートアップとは?

リーンスタートアップ

「リーン」とは英語のlean。「痩せた」、「引き締まった」という意味があります。マサチューセッツ工科大学の研究者が、トヨタ自動車の「カンバン方式」や「ジャストインタイム」といった、無駄のない生産方法を「リーン生産方式」として体系化・一般化したのが始まりです。

しかし、この生産方式は大規模な製造業としてのビジネス手法でした。この手法を他のビジネス分野やスモールビジネスに応用したのが、「リーンスタートアップ」です。

リーンスタートアップの仕組みとは?

スモールビジネス経営者が知って得する情報源 リーンスタートアップの仕組み

リーンスタートアップは、以下の3ステップを高速で回すことによってビジネスを開発していきます。

1. 構築

限られた顧客に対して、そのニーズを汲み取り、そのニーズに適応する必要最低限の製品・サービスを作ります。いわば、「使える試作品」をまず作ってみるということです。

2. 計測

作られた必要最低限の製品・サービスを、一番初めに関心を寄せそうな顧客層(アーリーアダプターと言います)に提供してみて、製品の良し悪しを判断してもらいます。

3. 学習

顧客からの反応やデータから修正を行い、このまま開発を続けるか?新たに方向転換(ピボットと言います)をするか判断します。

リーンスタートアップ手法の面白いところは、当初考えていた製品・サービスの目標が変わってしまってもOKだということです。たとえば、写真共有サイトで有名な「Instagram」は当初位置情報を提供するビジネスを標榜していました。カカクコムの「食べログ」はグルメ本から集めた情報を提供するビジネスから、口コミとランキングで飲食店を探せるサービスに変化しました。これらのビジネス手法はユニークですね。

なぜ、今、リーンスタートアップが注目されるのか?

スモールビジネス経営者が知って得する情報源 リーンスタートアップ

新規事業を起こす場合、昔の日本では、大規模にモノを製造する企業が多く、そのため、巨額の設備投資を行っていくというスタイルがメインでした。そのスタイルが成功していた背景には、製品のライフサイクルが長く、大きな投資をしても必ず儲かるという目論見があったからです。

しかし、近年は製品のライフサイクルが極端に短くなっていて、やっと製品やサービスをリリースしたかと思えば、あっという間に流行が過ぎてしまい、投資対効果が悪いビジネスが増えてきました。そこで、短期間に無駄を最小限に抑えてビジネスを開発できるリーンスタートアップ手法が注目され始めたのです。小さく生んで大きく育てることが可能なため、スモールビジネスを標榜する人にとって最適な手法と言えます。

スモールビジネスにおける、リーンスタートアップ手法の活用方法とは?

スモールビジネス経営者が知って得する情報源 リーンスタートアップ手法

リーンスタートアップ手法が有効なのは、確実性が乏しい分野で、消費者向けの製品・サービスが有効です。しかし、たとえ確実性が乏しくても、特定の顧客層に強いニーズが確認できれば、一気に広がる可能性があるのが、今のインターネット時代です。 最近のビジネスの中で、特にこの手法が有効なビジネス分野をご紹介します。

1. スマートフォンアプリやソーシャルゲーム製作

アプリやゲームは、典型的にリーンスタートアップが向いている分野です。誰もが使うSNSなどの一般的なアプリでなくても、特定のニーズに深く刺さる製品が出来れば、ネットを閲覧する多数の人たちの中から一定数を顧客として獲得することが出来ます。

2. こだわりの小ロット製品

モノ的な商品も、実はリーンスタートアップ手法が有効な分野です。製品というと、大量生産してコストを下げ、大量販売するイメージがありますが、機能を絞り込んで逆にデザイン性を高めた家電やインテリア製品、ハンドメイドジュエリーなど、クラウドファンディングを活用すれば小ロットメーカーとして地位を確立することも可能です。

3. Webサービス

インターネットのホームページ上で何らかのコンテンツを紹介したり、顧客にとって有益な情報を提供したりするビジネスは、昔からあるリーンスタートアップ手法向けのビジネスであると言えます。さらに、何らかの処理をWeb上で処理・解決するクラウドサービスも向いています。

これらのWebサービスは、技法としては以前からありましたが、大規模に大多数の顧客に対して行うのでは無く、特定の顧客ニーズに絞って尖ったサービスを提供することで、大企業が入っていけないスモールビジネスを確立することが出来ます。

スタートアップやベンチャーにとって有利な「不確実性」の高いビジネス手法への転換

今回は、リーンスタートアップの手法や内容や有用性について、スモールビジネスに活かせそうな観点から、基本的な部分をご紹介しました。

リーンスタートアップ手法は、従来からの大企業が行っていた「確実性」のあるビジネス手法から、スタートアップやベンチャーにとって有利な「不確実性」の高いビジネス手法への転換であると言えます。また、大規模で、ある意味「勝ち組」がハッキリしていた手法から、大企業と互角に戦える「私も勝てるかも?」という手法への転換でもあると言えます。

スマートビジネスの機動性を活かして、ぜひ、大企業に負けないビジネスモデルを創り出していきたいですね。