スモールビジネスで勝つためのランチェスター戦略

2024年4月9日

2019年10月28日

スモールビジネスで勝つためのランチェスター戦略

スモールビジネスからスタートし、現在は上場を果たしている企業が多くあります。これらの企業の成り立ちを調べると、ある共通点がわかります。いずれの企業も、自社の強みである特定分野に集中して事業を行っているのです。

今回は、スモールビジネスが持続的に成長を続けるための「戦略」をご紹介します。

スモールビジネスが「勝つ」ための戦略とは?

スモールビジネスが「勝つ」ための戦略

戦略とは、目標を達成するために自分自身が持つ資源をどう活用するか、を描いたシナリオです。別の表現では、「勝つために何をすべきで、何をやめるべきかを決めること」とも言えます。

有名な戦略に「ランチェスター戦略」と「ドミナント戦略」があります。

「ランチェスター戦略」とは、もともと戦闘の法則である「ランチェスターの法則」をビジネスに応用したものです。この法則では、戦闘力は歩兵や戦車など兵力の数と武器の性能で決定されます。これら戦闘力を営業力と置き換え、兵力数を量的経営資源、武器性能を質的経営資源とすると「営業力=量的経営資源×質的経営資源」と表現できます。

ちなみに、量的経営資源は人員数や時間工数などの数で表現できる資源、質的経営資源はスキルや品質などの質を表す資源のことを意味します。ランチェスター戦略は、市場シェアや営業の場面に応じてこの2つの資源の投入方法を変化させる考え方が基本となります。

「ドミナント戦略」とは、主にコンビニなどのチェーンストアで採用されている戦略です。ご存知の方も多いかもしれません。ドミナント戦略は、特定の地域に集中的に経営資源を投下することで、地域でのシェアを高める戦略です。

このような戦略を活用すれば、スモールビジネスであっても勝ち続けることができます。

市場シェアの原理

スモールビジネスで勝つためのランチェスター戦略 市場シェアの原理

あなたは「自分は後発だから」と諦めていませんか?あなたのビジネスが独占している市場でなければ、必ず他にライバルがいることになりますね。しかし、企業として成長を続けるには、競争に勝たなければなりません。まずは、他にライバルがどれだけいて、自社が他のライバルと比べてどれだけ優位かを認識しましょう

ナンバーワンだけが勝ちます。そしてナンバーワンだけが常に勝ち続けます。例えば、あなたは、日本で1番上手なマッサージ店と日本で2番目に上手なマッサージ店の2店舗が並んでいたら、どちらに行きますか?ほとんどの場合、同じお金を出すなら1番のお店に行くでしょう。

ランチェスター戦略では、市場の73.9%を獲得すれば一人勝ちができるとされています。この水準を達成すれば、市場の他の企業のシェアは26.1%にしかなりません。強者は弱者に3倍の差をつけることができます。73.9%が無理でも、41.7%の市場シェアを獲得すれば、安定的に首位として独走できるでしょう。競合が多い市場では、ほとんどの場合、4割のシェアを獲得できれば首位になれます。市場シェアの最低ラインが26.1%です。この水準を獲得できれば、他の競合は73.9%未満のシェアとなり何とか生き残れるラインになります。 勝つためには圧倒的ナンバーワンを目指しましょう。

では、ここからは市場で1番になれる方法をお伝えします。

市場シェアナンバーワンを目指すには?

市場シェアナンバーワンを目指す

市場は細分化することができます。簡単にできる方法の一つが、「特定分野への集中」です。今まで成功した企業の多くが特定の市場に集中的に資本を投下して発展を遂げてきました。特定分野は特定の地域や特定の商品でも構いません。

あなたのビジネスは、あなたの街でナンバーワンでしょうか?街でナンバーワンでなければ、町内まで絞るとどうでしょうか?また、女性向け、男性向けなど顧客層の切り口を絞ってみるといかがでしょうか?とにかく自社がナンバーワンだと言える分野をつくりましょう。

市場を細分化するもう一つの方法が「掛け合わせ」です。特定の地域への集中に加え、特定の分野の商品やサービスを掛け合わせるのです。例えば、ブランド品の買取事業で起業したある経営者は、京都の富裕層に絞って訪問型の買取販売ビジネスを始めました。特定地域への集中と直接販売によるサービス強化でみるみる事業は拡大し、現在は東京で不動産事業を営むまでに成長しています。

ちなみに先ほど量的経営資源と質的経営資源の説明をしました。下記がそれぞれの説明になります。

量的経営資源:人員数、設備の数、時間、人的ネットワークなど

質的経営資源:機動力、コミュニケーション力、品質の高さ、サービスの良さなど

スモールビジネスの経営では、地域を絞り、なるべく自社が得意な分野で質を高めながら特定の市場に量的経営資源を集中的に投入する方法をおすすめします。

まとめ

スモールビジネスで勝つためのランチェスター戦略

スモールビジネスは、大手のような体力はありません。大量の広告を出すことや経営資源を分散することは向いていません。大手にはできないけれど、スモールビジネスだからできることに積極的に自社の資源を集中させていきましょう。

限られた経営資源を有効活用するためには、事務作業などの定形業務は外注に出すことも有効な手段です。スーパー秘書™のような外部のパートナーも活用しながら、勝つために本当にやるべきことだけを行いましょう。

参考文献:「営業」で勝つ!ランチェスター戦略 福永雅文 著 PHPビジネス文庫 刊