2024年6月20日
2020年1月14日
自営業やスモールビジネスを長く続けていると、どうしても日々の業務に追われ自分自身で手を動かしてしまいますよね。しかし、それでは事業を大きくすることはできません。なぜなら、事業の基本は資本を活用することだからです。人に任せるか、モノを売るか、投資してお金に動いてもらうの選択です。いずれにしても、まず自分自身の時間を確保するには、人に任せる方法がベストでしょう。
そこで今回は部下に任せるためのリーダーシップについてご紹介します。
部下をダメにするリーダーシップとは?
いつの時代にも、人を動かせないできないリーダーがいます。そのようなリーダーは、部下には仕事を任せられず、最終的には部下をダメにしてしまいます。
人を動かせないリーダーには、以下の 4つの特徴があります。
1. 自分自身が手を出す
部下に仕事を任せてみたものの、なかなか成果が出て来ず、ついつい自分自身が手を出してしまいます。このようなリーダーは、最終的には「自分がやったほうが早い」と判断してしまい、部下から仕事を取り上げてしまいます。
2. 指示が曖昧
「これをやっておいて」など、曖昧な指示を出してしまいます。仕事を任せる時は、「なぜ」「何のために」仕事をするのか、背景と目的を伝えるようにしましょう。
3. 頻繁に進捗状況を確認する
頻繁に進捗状況を確認することは、指示待ちの部下をつくる原因になります。最終的には部下が自主的に行動しなくなります。
4. 教え方が下手
仕事ができる人は、教え方も上手な傾向にあります。自分自身の仕事を客観的に整理できているので、人に教えることができます。反対に、教え方の下手なリーダーは自分を客観視できていません。どんなに部下に教えても教える内容が伝わらず、部下の不満を助長する結果になります。
では、どのようにすることで部下を巻き込み、成果を上げられるようになるのでしょうか?
リーダーシップの理論と種類
どんな優れた武術家も、最初は「型」を覚えることから取り組みます。いわゆる「守」「破」「離」の法則です。同じようにリーダーシップにも理論があります。代表的なリーダーシップの理論をご紹介します。
三隅二不二のPM理論
日本の社会心理学者である、三隅二不二は、「リーダーシップはPerformance(目標達成能力)とMaintenance(集団維持能力)で構成される」と提唱しました。この理論を「PM理論」と呼びます。
優れたリーダーは、目標達成能力だけではなくチームワークを維持向上する力を持っています。ついつい、目標達成にだけ集中してしまうことがありますね。しかし、大きな成果を上げるにはチームワークを大切にすることも重要です。
Performance(目標達成能力)とMaintenance(集団維持能力)の2つの力をバランスよく持つことを心掛けましょう。
コッターの変革型リーダーシップ
アメリカの経営学者である、コッターは、変革を成し遂げたリーダーにインタビュー調査を行いました。変革を達成するには8つのステップがあることを発見しました。その8つのステップは以下の通りです。
1. 危機意識を高める
「このままでは会社が危ない」など、危機感をメンバーに共有します
2. 変革のための連帯チームを築く
変革の必要性に対して共感するメンバーとチームを組みます
3. ビジョンと戦略を生み出す
新たに目指すべき方向性を示し、それに対する戦略を立てます
4. 変革のためのビジョンを周知徹底する
新たな方向性を従業員に浸透させます
5. 従業員の自発を促す
新たな方向性が浸透すると自発的に従業員が動き始めます
6. 短期的成果を重視する
新たな方向性をもとに小さな成功を生み出します
7. 成果をもとにさらなる改革を推進する
小さな成功をもとに改革を続けます
8. 新たな方法を企業文化に定着させる
新しい方法を習慣化させます
この8つのステップに従うことで、部下や従業員を巻き込んだ取り組みを成功させることができます。
リーダーシップを発揮して生産性高いチームをつくるには?
理論を覚えたとして、では、どのようにして実践すればよいのでしょうか?
そこで、チームにおける実際のリーダーシップ発揮方法について説明します。
ビジョン・目的・目標を示す
「リーダーシップ」は人を導く「リード」という英単語から生まれました。つまり、リーダーに最も必要なのは、ビジョンや目的、目標を示して人を導くことなのです。ビジョンはリーダーの「想い」から生まれます。歴史上の偉人たちの生涯を調べてみると、自分自身が成し遂げたいことを周囲に示し、それに共感したメンバーを集めてことを成したことがわかります。
部下に任せる
とにかく部下に任せてみましょう。ただし、任せることと放置することは違います。任せるためには、仕事の背景と方向性、成果物のイメージを必ず事前に共有しましょう。そして、ただ任せるのではなく、必要に応じて部下が困っていることを積極的にヒアリングするようにしましょう。困っていることがあれば一緒に解決する姿勢を見せましょう。
お金だけではないインセンティブを与える
経営学の実験で有名な「ホーソン実験」で、人は名誉や職場の関係性によって生産性が変化することが証明されました。また、その後の別の実験でお金のインセンティブは効果が限定的であることも判明しました。そして今日の日本では、職場での自己成長を求める若者が多くなっています。 リーダーは積極的に部下の成長に対してフィードバックを行い、彼らの成長を助けるようにしましょう。成長実感こそが最大のインセンティブになります。
リーダーシップとは、時には部下を信じて育成すること
部下に任せることは、部下を信じることです。部下の可能性を信じて、時には目標達成に向けて支援することでチームとして成熟していくことができます。とはいえ、なかなか部下指導に時間を割くことができないのも事実です。
そんな時は、コストをかけてでも業務をアウトソースすることで、なるべく自分自身の時間をつくることがおすすめです。自分自身がやらなくてもよい定型業務は外注に任せ、部下やメンバーの育成・指導に時間を割くようにしましょう。
参照元:【29 PM理論】PとMの組み合わせで リーダーの種類を分ける 組織マネジメント編|DAIAMOND Online
参考文献:著:スティーブンP.ロビンス 訳: 髙木晴夫(2009年12月)『【新版】組織行動のマネジメント』 ダイヤモンド社