起業して法人化するにあたって頼りになる公的支援機関

2024年4月9日

2019年3月29日

起業 法人化 公的支援機関

法人化をすると、会計、法律、社会保険など、個人事業以上に様々な経営課題に直面します。そんな時に頼りになるのが公的支援機関。潤沢な予算がない中で、無料で相談できる施設があることをご存知でしょうか?
今回は困った時に頼りになる公的支援機関についてお伝えします。

都道府県等中小企業支援センター

起業 法人化 公的支援機関 都道府県等中小企業支援センター 都道府県等中小企業支援センター(以下、中小企業支援センター)は、中小企業支援法に基づき設置された支援機関です。平成12年から各都道府県に1機関設置されており、東京都では「東京都中小企業振興公社」、岡山県では「岡山県産業振興財団」など、機関によって微妙に名称が異なっています。また都道府県とは別に、政令指定都市では市に特化した中小企業支援センターを設置しているケースもあります。(横浜市の「横浜企業経営支援財団」など)
都道府県等中小企業支援センター(中小企業庁)

中小企業支援センターは「ワンストップ・サービス」「ソフトな経営資源の支援」「民間人材・ネットワークの活用」を基本方針として設立されています。
「ワンストップ・サービス」とは、特定の支援分野に特化するのではなく、起業、売上対策、法律、税務、海外展開、IT活用など、中小企業の課題解決に向けて幅広い分野に対応できること「ソフトな経営資源の支援」は、「情報・方法・知恵」といった形のないものへのサポートに重きおくこと「民間人材・ネットワークの活用」とは、税理士、中小企業診断士といった士業だけではなく、販路のネットワークを持つ商社OBなどの民間のスペシャリストを活用することです。これらを実現するため、中小企業支援センターには多くの部門と豊富な人材を抱えているのが特徴で、中小企業支援センターに相談に行けば、対応できない相談はないといっても過言ではないでしょう
一方で、支援範囲が多岐にわたっているため、どの部門に相談に行けば良いかが分かりにくかったり、職員でさえも分からなかったりするケースもあるようです。また東京都の創業助成金など、都道府県独自支援制度の窓口になっていることも多いです。

商工会議所・商工会

起業 法人化 公的支援資金 商工会議所・商工会商工会議所・商工会は商工会議所法・商工会法に基づいて設置された支援機関であり、商工会議所は市、商工会は町村に設置されることが多いですが、地域によって異なります。商工会議所・商工会の歴史は古く、その原型は明治11年までさかのぼります。当時は中小企業の決算や確定申告を支援するための組織だったと言われています。名称が似ているので同じように感じると思いますが、組織的には別の組織で、職員の中には、商工会議所と商工会を間違えると不機嫌になる人もいるとか・・・。
商工会議所・商工会も中小企業支援センター同様、中小企業を支援する機関ですが、大きな違いは「中小企業事業者の会員制団体」であることです。公的な組織ゆえ、会員でなくても経営相談などを受けることはできますが、会員と非会員では支援できる厚みやイベントなどの参加費が違うなどケースもあります。会員になったとしても個人事業や1人会社なら年会費10,000~20,000円程度なので、長い目で見るなら入会しても良いでしょう。商工会議所・商工会も支援範囲は多岐にわたりますが、中小企業事業者の会員制団体という性格から、起業よりも既存企業のサポートに重きを置くことが多いです。
日本商工会議所
全国商工会連合会

よろず支援拠点

起業 法人化 公的支援機関 よろず支援拠点よろず支援拠点は、国の支援施策として47都道府県に設置された経営相談窓口です。よろず支援拠点は国の施策であるため、運営母体は各都道府県によって異なります。ほとんどの場合、先に説明した中小企業支援センターや商工会議所・商工会のいずれかが運営母体になりますが、東京都よろず支援拠点が東京都信用金庫協会のように、それ以外のケースもあります。
また、中小企業支援センターや商工会議所・商工会は法律に基づいた組織のため、無くなることはまずないですが、よろず支援拠点は国の施策のため、将来的に無くなったり、別の施策に形を変えたりする可能性があります。
よろず支援拠点は、中小企業支援機関のお手本と言われている「富士市産業支援センター」をモデルにしており、幅広い専門家による「チーム支援」を特徴としています。特に、すべてのよろず支援拠点ではないものの、販売促進のポイントになる、WEBデザイナーチラシデザイナー広報を得意とする専門家を置いているのも特徴です。
よろず支援拠点

ミラサポ

起業 法人化 公的支援機関 ミラサポ ミラサポは中小企業庁が設置する、派遣型中小企業支援システムです。中小企業支援センター、商工会議所・商工会、よろず支援拠点がリアルな支援機関であるのに対し、ミラサポはインターネット上のバーチャルな支援機関になります。
ミラサポは1年間に3回まで、ミラサポに登録している全国の専門家に自社まで来てもらい相談対応してもらえるのが特徴です特に、専門家が少ない地方では重宝されています
一方で、これを不正に利用した一部の専門家がいたことにより、以前はできた専門家の指名派遣ができなくなるなど、ルールが厳しくなってきています。現在は、前述しました「よろず支援拠点」または地域プラットフォーム(中小企業庁が認定した中小企業支援機関の連携体で、商工会議所や金融機関が多い)にて無料の経営相談を受けてから、相談内容に最適と思われる専門家を紹介してもらうように変わってきているようです。
ミラサポ
地域プラットフォーム

起業 法人化 中小企業 スモールビジネス 経営者  公的支援機関では、「どの支援機関に相談に行けば良いのか?」、という質問が出てくるでしょう。
支援制度の活用を考えるならば、「中小企業支援センター」
開業後の会員制度に興味があるならば、「商工会議所・商工会」
気軽に相談に行きたい、デザイン・広報の支援を受けたいならば、「よろず支援拠点」
自社、店舗を見て支援してもらいたいならば、「ミラサポ」
これらが、大まかな判断基準になりますが、各都道府県による地域差や、経営者と支援機関との相性的なものもあります。実際に足を運んでみて、自分に合った支援機関を探してみるとよいでしょう。


この記事の執筆者


合同会社ファインスコープ 代表社員
中小企業診断士
西條 由貴男

食品機械メーカー、研修会社を経て、2011年に独立開業。東京開業ワンストップセンターや岡山県よろず支援拠点などの公的支援機関にて、中小企業の経営サポートを行う。著書は「起業のツボとコツがゼッタイにわかる本(秀和システム)、「中小企業診断士のお仕事と正体がよ~くわかる本(秀和システム)」など全6冊出版。