2024年6月19日
2021年9月22日
スモールビジネスの経営者であれば、売上高や事業展開に限界を感じた、そんな経験があるのではないでしょうか。
自分自身も事業も伸び悩んでいる時、どうすればよいのか悩みますよね。
そこで今回は経営者自らが限界を超えるための方法として、セルフコーチングをご紹介します。
セルフコーチングとは?
セルフコーチングとは、自分自身に対して自ら行うコーチングのことです。
コーチングとは?
そもそもコーチングとは、どのようなものなのでしょうか。
コーチングは英語のCoach(コーチ)に由来します。
Coachはもともと馬車という意味で、そこから転じて目的地へと導いてくれる存在としてのコーチという意味で使われるようになりました。
ビジネス分野では、1950年代にアメリカでコーチングが生まれ、日本では1990年代にコーチ・エイ社がアメリカから日本に持ち込んで普及が進みました。
コーチングには様々な手法や流派がありますが、一般的にはクライアントの気づきを促し、クライアント自らが目標を達成するように援助することがコーチングだとされています。
自らをコーチングするセルフコーチング
通常、コーチングはコーチとクライアントの1対1で行います。
こうしたコーチングの手法を1対1ではなく、自分1人で行うのがセルフコーチングです。
セルフコーチングでは自ら目標設定を行い、目標に向けてどう行動すべきかを自分で考え、実際に行動して振り返り、改善を重ねていきます。
なぜセルフコーチングをするのか?
コーチングはコーチと二人三脚で行うものですが、なぜあえて一人でセルフコーチングを行うのでしょうか。
目標を早く達成できる
セルフコーチングを習慣にすると目標を早く達成できます。
コーチングは目標を定め、目標に対する日々の行動を振り返って改善する取り組みです。
ただ目標設定をするよりも、目標に対する行動を具体化して、常に行動を改善した方が早く目標に到達できるのではないでしょうか。
例えば売上を1億円アップさせたいと考えたのであれば、ただ待っているよりも、日々改善しながら行動するのです。
こうした目標を達成するためにも、セルフコーチングは有効な手法です。
視野が広がる
セルフコーチングは視野を広げてくれます。
漫然と毎日を過ごしていると、いつの間にか行動や思考が定型化していきます。
人はあまり環境を変えたくないと考える傾向があるからです。
しかしセルフコーチングを取り入れて目標に向かって行動を改善していくと、現状維持では目標を達成できないことがわかります。
すると、時には新たなことに挑戦する必要や、行動範囲を広げる必要があることに気づくのです。
セルフコーチングは、自分を新たな成長へと導いてくれます。
自分の価値観に気づく
セルフコーチングによる日々の振り返りは、自分の価値観に気づくきっかけになります。
行動を振り返ることで、なぜその選択をしたのか、自分自身の判断基準を考えることになります。
判断基準を突き詰めて考えていくと、自分自身の中にある無意識の価値観が浮かび上がってくるのです。
例えば、すぐに決断ができなかった場合、そこには失敗したくない、という価値観があるかもしれません。
こうした無意識の価値観に気づくことができれば、価値観を別のものに書き換え、意思決定の時にもよりよい選択ができるようになるでしょう。
このように、セルフコーチングは日々のパフォーマンスを上げる有用なツールとして機能するのです。
セルフコーチングとリーダーシップ
もしあなたが経営者で、部下を持っていてリーダーシップに悩んでいるなら、セルフコーチングはリーダーシップ行動の改善にとても有効な手段です。
セルフコーチングはリーダーシップ発揮にも有効
セルフコーチングは自分自身の価値観に気づくことを促してくれます。
日々、部下と接した際の自分自身の言動を振り返ることで、なぜ部下とぶつかり合いが起きたのか、なぜ部下と意思疎通ができなかったのか、原因を探ることができます。
特にスモールビジネスの経営者であれば、自分自身の価値観に基づく何かしらの信念を持っているはずです。
セルフコーチングを繰り返していくと、そうした信念を言語化できるようになります。
信念を言語化できれば、部下に伝えることができ、その信念を会社の方向性や戦略に表現することもできるでしょう。
リーダーシップを発揮するためにも、セルフコーチングは有効な手段です。
自分を客観視することがリーダーの成長につながる
セルフコーチングを通じて自分自身を客観視することは、リーダーとしての成長につながります。
心理学者のロバート・キーガンは、最近、ビジネスシーンで話題になった書籍「なぜ人と組織は変われないのか」の中で成人発達理論を提唱しました。
成人発達理論は、大人にも成長の段階があることを示した理論です。
そして、最も優れたリーダーは自分自身を客観視して、他人からも学ぶことができるリーダーであると定義しています。
反対に最も低レベルのリーダーは、自己中心的で自分の欲求を満たすことに精一杯であるとされています。
成人発達理論では、こうしたリーダーの成長には自分と他者の価値観への理解が重要であることが示されているのです。
リーダーとして成長するには、まず自分自身を客観視して自分の価値観に気づくことからはじめましょう。
セルフコーチングのやり方
最後にセルフコーチングの具体的なやり方をご紹介します。
ノートまたはメモを用意する
まずはセルフコーチングをするためのノートか、スマホのメモを用意しましょう。
どちらがいいというわけではなく、自分自身にあった方法を選ぶことが重要です。
また毎日実践できる方法であることと、モチベーションが上がる方法であることも大切でしょう。
ノートであれば少し高級感のあるものや、日記用のおしゃれなもの、スマホのメモであればメモアプリを使用するなど、少し工夫するだけで楽しみながら取り組めるはずです。
目標を設定する
コーチングにとって重要なのは目標を設定することです。
目標はできれば具体的で達成可能でありながら、少しいまの自分にはハードルが高いものがよいでしょう。
この時に、あまり難しい目標を設定しないのがおすすめです。
少し高い目標を早く達成していくことで達成感が生まれるからです。
目標は達成できれば新たな目標を立てればよいので、まずは少し背伸びするくらいの目標をノートやメモに書き込みましょう。
日々の振り返りをする
ノートやメモを用意して目標を設定したら、日々の振り返りを行っていきます。
振り返りをする時間帯を予め決めておくと良いでしょう。
寝る前に10分だけ振り返るのもいいですし、仕事が終わったときにその日の仕事を振り返るのもおすすめです。
毎日実践できるタイミングを見つけて取り組みましょう。
振り返る内容は、目標に対してその日「うまくいったこと」「うまくいかなかったこと」「改善点、明日取り組むこと」の3点です。
こうした振り返りは毎日行うとともに、週単位、月単位、年単位の大きなサイクルでも実践するのがおすすめです。
改善点を考える
セルフコーチングにおいて最も重要なのは、改善点を考えることです。
また、改善点はできれば翌日か数日以内に実行できるものがよいでしょう。
改善を繰り返していくことで、どんどん目標へと近づいていきます。
感情を思い出す
コーチングでは改善点だけではなく、感情を思い出すことも重要です。
感情は自分自身の価値観を見つけるヒントになります。
日々の振り返りの中で、喜びや悔しさなど、特に強い感情を抱いたシーンを思い出してみましょう。
そしてなぜ自分自身がそのような感情を抱いたのかを考えてみると、自分自身が嫌なことや好きなこと、望んでいることなどの価値観に気づくことができます。
行動する
改善点や価値観に気づいたら、実際に行動に移しましょう。
改善点をもとに行動することで、日々の変化を生み出すことができます。
自分自身を変えるには、ただ振り返ることだけでは不十分です。
ぜひ行動からトライアンドエラーを繰り返して、目標達成に向けて自分を変えていきましょう。
まとめ
私たちはつい、日々を漫然と過ごしてしまいがちです。
しかし、日々を振り返って行動を改善することで、到達が難しいと考えていた目標も達成することができます。
スモールビジネスの経営者であれば、自分自身の成長が事業の成長につながることをよくお分かりなのではないでしょうか。
ぜひセルフコーチングを日々の中に取り入れて、新たな目標にチャレンジしていきましょう。