2024年6月20日
2022年3月26日
新型コロナウィルスの影響に対する、政府による中小企業や個人事業主への経済的支援として、1月末から事業復活支援金の申請が開始されました。
前回の持続化給付金と異なり、売上高に影響を受けた全員が対象ではないため、スモールビジネス事業者の中には「私は対象だろうか」「自社は対象になるだろうか」と疑問を感じている方も多いかもしれません。
そこで今回は事業復活支援金について、その内容と対象者、申請方法について解説いたします。
事業復活支援金とは?
中小企業・個人事業主を対象に事業復活支援金の申請が開始されました。
事業復活支援金とは、新型コロナウィルスの影響への経済支援の一環として、政府から対象者に対して給付金を支給する仕組みです。
給付額は中小法人が上限最大250万円、個人事業主が上限最大50万円です。
新型コロナウィルスの影響による売上高減少率が50%以上か、30%以上50%未満かで金額が変わります。
給付額は、「基準期間の売上高―対象月の売上高×5か月分」で計算されます。
基準期間とは、2018年11~2019年3月、2019年11月~2020年3月、2020年11月~2021年3月の3つの期間です。
事業復活支援金は「給付金」であるため、返済不要、単純に「お金がもらえる」制度です。
対象者であれば申請するだけで給付されるため、自分自身が対象かどうかよく確認したうえで、対象であれば申請しておくべきでしょう。
事業復活支援金の対象者
以前2020年に実施された「持続化給付金」は、新型コロナウィルスの影響に関わらず売上高が減少した事業者であれば一定額の給付金を受け取れる仕組みでした。
一方で、給付条件の緩さから給付金を不正に受け取る個人や事業者が相次ぎ、社会問題にもなりました。
そこで真に新型コロナウィルスの影響で売上高減少の影響を受けた事業者に給付金を届けるため、事業復活支援金では対象者を絞って支給されることになりました。
その対象者は、2つの条件で定義されています。
①新型コロナウィルス感染症の影響を受けた事業者
②2021年11月~2022年3月のいずれかの対象月の売上高が、2018年11月~2021年3月の間の任意の月(基準月)の売上高と比較して50%以上、または50%未満30%以上減少した事業者
この①②の条件を満たす事業者が対象です。
ちなみに、①新型コロナウィルス感染症の影響に関しては別途詳しく定義されています。
ここでは大枠を説明しますので、詳細は事業復活支援金の詳細資料をご確認ください。
新型コロナウィルス感染症の影響について
①需要の減少による影響
・国や地方自治体による、休業やイベント中止、延期などコロナ対策の要請
・国や地方自治体による要請以外で、コロナ禍を理由として顧客・取引先が行う休業・時短営業やイベント等の延期・中止
・消費者の外出・移動の自粛や、新しい生活様式への移行
・海外の都市封鎖その他のコロナ関連規制
・コロナ関連の渡航制限等による海外渡航者や訪日渡航者の減少
など
②供給の制約による影響
・コロナ禍を理由とした供給減少や流通制限
・国や地方自治体による休業・時短営業やイベント等の延期・中止その他のコロナ対策の要請
・国や地方自治体による就業に関するコロナ対策の要請
また、具体的な給付金額は事業復活支援金のホームページのシミュレーションでも確認できますので、自社や自分がいくらもらえるのか、事前に検討してみてもよいでしょう。
事業復活支援金の申請方法
条件や売上高の推移を確認して、自社や自分が対象者である場合は、事業復活支援金の申請を行いましょう。
申請はいくつかの手順があります。
アカウントの登録
まずは事業復活支援金の申請のために、事業復活支援金のホームページで申請用アカウントの登録をします。
アカウント発行の際には、事前確認書類の準備が必要です。
・本人確認書類 / 履歴事項全部証明書(法人のみ)
・収受日付印の付いた、以下の期間分の確定申告書の控え
中小法人等:2019年11月、2020年11月、基準期間を含む全ての事業年度
個人事業者等:2019年、2020年、基準期間を含む全ての年分
・2018年11月から対象月までの各月の帳簿書類(売上台帳、請求書、領収書等)
・2018年11月以降の全ての事業の取引を記録している通帳
・代表者又は個人事業者等本人が自署した「宣誓・同意書」(事務局のWEBサイトからダウンロード)
事前確認の依頼・事前予約
事業復活支援金は、給付対象を確実に確認するために、登録確認機関に事前確認を依頼します。
事業復活支援金ホームページ掲載の「登録確認機関一覧」から、身近な登録機関を検索して、事前確認のための事前予約をしましょう。
登録確認機関とは、その後、面談を行うことになります。
そのため、事前予約の際にTV会議、対面、電話などの面談方法を決めて面談を行います。
事前確認
事前確認では、登録確認機関によりTV会議/対面/電話を通じた、書類の有無の確認や質疑応答による形式的な確認が行われます。
・「事業形態」,「申請ID」,「電話番号」,「法人番号及び法人名(中小法人等の場合)」,「氏名及び生年月日(個人事業者等の場合)」の確認
・「継続支援関係」の有無の確認
・「実施方法」,「確認の種別(一部確認・全部確認)」,「事前確認の対価(報酬)」の確認
・本人確認
・「確定申告書の控え」,「帳簿書類」,「通帳」の有無
・「帳簿書類」及び「通帳」のサンプルチェック
・コロナの影響による売上減少について聴取及び該当項目の確認
・宣誓・同意事項等を正しく理解しているかについて口頭で確認
・登録確認機関が事前確認通知番号を発行
以上の手続きが完了して初めて事業復活支援金のホームページから申請ができるようになります。
申請
申請は事業復活支援金のホームページから行います。
ただし申請の際に必要書類を添付する必要があります。
【申請手順】
1.事業復活支援金事務局が設置するWEBページにログイン
2.申請に関わる基本情報を記載の上で、以下の必要書類を添付
3.申請ボタンを押下
【必要書類】
必要書類は対象者の資格条件によって異なります。詳しくは事業復活支援金の詳細資料を確認しましょう。
※出所:事業復活支援金「詳細資料」より
事業復活支援金の手続きにおける注意点
以上のように、事業復活支援金の申請手続きには多くの手順と書類が必要となります。
万が一不備になった場合は、給付までに多くの時間を要することになるでしょう。
注意すべき点も多岐にわたりますが、ここでは代表的な注意点をご紹介します。
書類全般の不備
事業復活支援金では、添付書類を電子化して申請マイページから添付のうえ送信することになります。
スキャナーで読み取る際には、添付データがぼやけてしまわないように注意しましょう。
またファイルにパスワードがかかっている場合や、添付資料がスキャナーや撮影の際に見切れてしまった場合は申請ができません。
書類の準備は非常に面倒ですが、「まあいっか」と適当に準備せず、正式な書類を正確に用意しましょう。
金融機関口座情報の不備
金融機関口座情報の不備も意外と多いものです。
特にゆうちょ銀行の口座を利用している場合は、口座番号を間違えやすい場合があるので注意しましょう。
不備の例
・通帳の表紙、1-2ページ目以外のページが添付されている
・普通・当座以外の口座が登録されている(貯蓄預金、通知預金、定期預金、融資返済専用口座:
カードローン通帳の口座は受け付けられません)
・通帳の金融機関コードと登録された金融機関コードが一致しない
・通帳の支店コードと登録された支店コードが一致しない
・通帳の口座番号と登録された口座番号が一致しない
・通帳の口座名義と、〈口座情報入力〉画面で入力した口座名義が異なる
住所・氏名の不一致
特に個人事業主が注意してほしいのが、事業主としての住所・氏名の不一致です。
事業を続けて長い方は、開業届を申請した際の住所地や氏名が変わっている場合があります。
事業を始めて以来、事業を行っている場所の変更や、結婚などのライフイベントによる改名がなかったかを必ず確認しましょう。
まとめ:事業復活支援金の申請書類の準備は外注で対応可能な作業も!
事業復活支援金の申請では、申請書類や確認事項も多く、登録確認機関との面談などの日程調整も必要となります。
また、万が一、不備が発生した場合は改めて書類を準備したうえで、再度、登録確認機関へ事前確認を行うことになるでしょう。
普段から事業運営で忙しいスモールビジネス事業者にとっては、本業をこなしながら、こうした申請事務手続きに追われることはなかなか難しいのではないでしょうか。
・難解な申請要項の読み込み
・提出書類の作成、スキャナー読み取り
・口座情報や住所氏名など、不備がないか内容のチェック
こうした事務作業をあなた一人で対応することはできますか?
本業に専念するためにも、事務作業は外注化するのがおすすめです。
最近ではオンラインアシスタントを気軽に活用できるようになっています。
支給される給付金を活用すれば、申請事務手続きを外部に委託したとしても、十分な給付金を得られるはずです。
スーパー秘書™などの秘書代行サービスであれば、中小企業診断士など士業の指示通りでの書類作成、経理業務関連の対応、申請時の書類の準備、採択後の必要書類の準備など事務作業を一手に依頼することができます。
特に今回のような給付金の申請には国や認定機関が求める審査に通過するために、大量の書類を準備しておく必要があります。
この機会にオンラインアシスタントの活用を検討してみてはどうでしょうか。