今から間に合う!2023年10月開始「インボイス制度」を解説

2024年6月20日

2022年10月31日

今から間に合う!2023年10月開始「インボイス制度」を解説

インボイス制度の施行まで、1年を切りました。適格請求書を作成するために販売管理システムやレジの入替、免税事業者から課税事業者への変更を検討中など進捗はさまざまです。

そこで今回は、今からでも間に合う「インボイス制度」について解説します。

インボイス制度をおさらい

インボイス制度をおさらい

すでに課税事業者(課税売上高1,000万円超の事業者)の場合は、税務署へ届出を提出し、登録番号を取得することで適格請求書発行事業者となります。適格請求書発行事業者は国税庁に登録され、ネット上で誰でも確認できるようになります。

インボイス制度が開始されると、適格請求書発行事業者からの仕入や経費の支払いのみ、仕入税額控除が適用できます。しかし、適格請求書発行事業者からの仕入でなければ、仕入税額控除を適用できません。つまり、現時点で消費税免税事業者からの仕入や経費の支払いは、インボイス制度が始まると仕入税額控除が受けられないことになります。

適格請求書の必要性

適格請求書の必要性

仕入税額控除を受けるためには「適格請求書」が必要になります。この適格請求書には取引先の登録番号が記載されており、登録番号がある請求書が仕入税額控除の対象です。登録番号は、税務署へ届出を提出することで簡単に取得できます。

適格請求書として認められるには登録番号取得のほか、請求書の様式を今のうちに整備しておかなければなりません。そこで、必要となる10項目についてご紹介します。

  1. 請求書作成者の名前
  2. 取引年月日
  3. 取引内容
  4. 取引金額
  5. 相手方の名前
  6. 軽減税率適用の対象品目である旨
  7. 税率ごとの取引金額
  8. 登録番号
  9. 適用税率
  10. 税率ごとに区分した消費税額等

発行する売手側は、この項目を満たして初めて「適格請求書」の発行となり、買手側は適格請求書を保存しなければなりません。

インボイス制度が免税事業者に与える影響とは

インボイス制度が免税事業者に与える影響とは

免税事業者からの仕入は、適格請求書が発行されないため買手側が仕入税額控除を受けられません。買手側が課税事業者だった場合、免税事業者からの仕入を控える動きが起こる可能性があります。そのため免税事業者は、適格請求書発行事業者になれるよう「課税事業者を選択するかどうかの検討」が必要になるケースがあります。例えば、商店街の八百屋さんやお肉屋さんは、最終消費者が個人でありその人たちが消費税を申告することはないため、課税事業者を選択する必要はありません。しかし、課税事業者が接待で利用している飲食店であれば、接待交際費として経費を会社が処理するため「できれば適格請求書発行事業者のところを選んでほしい」となる可能性があります。

免税事業者が適格請求書発行事業者になるためには「課税事業者選択届出書」を税務署に提出すれば課税事業者になれます。

いつ登録すれば、いつから適格請求書発行事業者になれるのか

いつ登録すれば、いつから適格請求書発行事業者になれるのか

令和5年10月の適用開始から適格請求書発行事業者になる場合は、2つの期限があります。

  • 令和5年3月31日までに登録申請書を提出
  • 特定期間の課税売上高等により新たに課税事業者となる事業者が令和5年10月1日から適格請求書発行事業者になろうとする場合は、申請期限が令和5年6月30日まで延長

さらに、上記2つの期限で申請ができない場合には次の方法も認められています。

  • 上記2つの期限で申請できなかった理由を記載した登録申請書を令和5年9月30日までに提出

この方法で申請すると、令和5年10月1日から登録を受けたとみなされます。

インボイスの交付義務が免除になるケースがある

インボイスの交付義務が免除になるケースがある

全ての請求書や領収書が適格請求書でなければ、仕入税額控除が受けられないということではありません。例外的に認められているものがあります。それは次に挙げる5つです。

  1. 公共交通料金(3万円未満)
  2. 出荷者等が卸売市場において行う生鮮食料品等の販売
  3. 生産者が農協等に委託して行う農林水産物の販売
  4. 自動販売機及び自動サービス機での販売(3万円未満)
  5. 郵便ポストに投函される郵便物

同時に注意が必要なものにクレジットカードでの経費の支払いがあります。クレジットカードの明細表には、購入した先の登録番号がなく、適格請求書としての要件も満たしていません。現状、クレジットカードの明細を会計処理に使用している場合には、インボイス制度が開始されると、支払いをしたときに出力される領収書やレシートが必要です。

現状を把握して正しい準備が必要です

現状を把握して正しい準備が必要です

インボイス制度が開始されると、クレジットカードの明細では仕入税額控除が受けられなくなるように、現状どのような会計処理がされているか確認が必要です。それに合わせてシステムの改修や買換えが必要になることもあります。インボイス制度開始まで1年を切っていますので、正しい情報を収集し準備を進めることが大切です。また、システム改修や買換えに対応した補助金制度もあります。これらをうまく活用して1年後のインボイス制度に備えることをおすすめします。

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