2025年11月25日
最近、インスタグラムやFacebookでのなりすまし被害が増えています。
なりすまし被害とは、本人と誤認させるようなアカウントを作成して、本人が撮ったような写真や書いたような文章を投稿して、嫌がらせや暴言、誹謗中傷を行うことです。
ブランドや企業のアカウントになりすまして、顧客の住所や名前、電話番号などの個人情報を抜き取る被害も増えています。
IDやパスワードを不正入手してアカウントをのっとることもなりすまし被害のひとつです。
被害者は企業だけでなく、一般ユーザー、講師やコンサルタントにまで及んでいます。
一般的にフォロワー数が多いほど狙われると思いがちですが、実はフォロワー数は関係ありません。
むしろ、少ない方が狙いやすい面もあるのです。 この記事では、のっとり被害を防ぎ、安全にインスタやFacebookなどのSNSを運用するための対策を解説します。
なりすまし被害が増えている背景

なぜ、SNSのなりすまし被害が増えているのでしょうか。
そこにはSNSが「コミュニケーションツール」から「信頼の証」になったことが原因として挙げられます。
SNSが登場した当初、SNSは友人との近況共有や趣味を通じた仲間との交流が主な目的でした。
しかし、スマートフォンの普及により利用者が増加。
さまざまな情報が集まるようになったことで、情報収集の中心へと変化しました。
また、行政や公共機関もSNSで災害情報や緊急情報を発信するようになり、「SNS=信頼できる公式ルート」という認識が浸透。
コミュニケーションツールの一つだったSNSは、信頼できる情報を発信するツールへと変化していきました。
小規模事業者や個人事業主にとって、今、SNSは公式情報の発信ツール、お客様とのコミュニケーションツールとして、中心的な役割を果たしています。
被害が拡大している3つの理由
SNSのなりすまし被害が急拡大している背景には、主に「信頼商売」「フォロワー心理」「情報拡散力」という3つの理由があります。
なりすましは“信用を盗む詐欺”です。
詐欺師は、あなたが築き上げてきた信用を“勝手に借りて”詐欺に利用します。
フォロワー数は関係ありません。
むしろフォロワー数が少ない方が、リアルな友人・知人、取引先やお客様とつながっていて信頼関係が強いことが多く、詐欺師にとってはだましやすい環境なのです。
また、「この人の発信なら間違いない」とフォロワーが信じる傾向も強くなります。
講師やコンサルタントをしている人なら、このフォロワーの心理を実感として理解できるでしょう。
そのため、偽アカウントから突然DMが届いても“本物からの連絡だ”と信じてしまう可能性が高く、詐欺成功率が高くなります。
さらに、SNSはとにかく情報が広がるスピードが速いのです。
キャンペーンの偽情報、投資や副業への誘導、不審なリンクなど、偽アカウントが投稿した内容は、フォロワーのシェアによって瞬時に広がります。
気づいた時には 本物の本人が制御できない状態 になっていることも少なくありません。
個人事業主や小規模事業者ほど、一度広がった誤情報を取り返すのは難しく、その影響は長く尾を引きます。
実際に起きているなりすまし被害の事例紹介
小規模事業者でありがちの被害を紹介しましょう。
・偽アカウントが「フォロワー感謝プレゼント」と掲げて偽サイトへ誘導する記事を投稿し、顧客のクレジット情報を盗む
・偽アカウントがあり得ないような割引価格で広告を投稿し、フォロワーが詐欺商品を購入してしまう
・名前や写真を勝手に使った偽アカウントが「あなただけに特別な投資の案内です」とフォロワーにDMし、信用を大きく損なう
被害を受けたときの影響
どのケースも偽アカウントが行ったもので、本人に責任はありません。
しかし、大切なお客様が金銭的ダメージを受けていることは事実です。
特に、個人情報やクレジットカード情報が盗まれた、偽の商品を購入させられた場合、責任の所在に関係なく「もう関わりたくない」と顧客が離れていきます。
また、「本当にこの人は安全なのか?」とフォロワーが疑念を持つことも避けられません。
長年築き上げてきた信用が目に見えて落ちていきます。
一度失った信頼を回復するのは、大きな労力が必要です。
なりすましの被害を受けると、自身が偽アカウントの通報をするだけでは終わりません。
被害者から事情説明を求められたり、クレームを受けたりします。
被害が大きければ大きいほど、業務が止まるほどの問合せが殺到します。
信頼低下、顧客離れ、本業の停滞となり、致命傷になりかねません。
なりすましアカウントの見分け方

被害を受けないために、なりすましアカウントの見分け方を紹介します。
アカウント名を細かくチェックする
偽アカウントは本物のアカウントと同じ名前にすることはできません。
そこで、本物のアカウントの文字の一部を変えたり、記号や数字を追加したりします。
ただ、その変化はものすごく小さく、「_(アンダースコア)」が「.(ピリオド)」になっているようなレベルです。
文章が不自然
急ごしらえで作ったなりすましアカウントは、プロフィール、アカウントともに文章が不自然なことがあります。誤字脱字が多い投稿にも注意が必要です。
フォロワー数が少ないのにフォロー数が多い
なりすましアカウントは投稿数が少ない、フォロワー数が少ない傾向です。
一方で、多くのフォロワーを獲得するためフォロー数が異常に多いことがあります。
アカウント作成日が新しいのに、フォロー数が多い、短期間で大量のフォロワーを獲得しているケースも怪しいといえます。
投稿内容に一貫性がない
急に投稿内容の方向性が変わったり、統一感がなくなったりした場合も、なりすましアカウントの可能性があります。
また、返信コメントが機械的だったり、関係ない内容のコメントだったりした場合も、なりすましの可能性が高いでしょう。
公式マーク(認証バッジ)をチェック
SNSでは公式マーク(認証バッジ)を発行しています。
公式マーク(認証バッジ)があれば、本物のアカウントである可能性が高いでしょう。
まれに公式が認証バッジを申請しておらず、偽アカウントが公式バッチを申請、保有してしまっているケースもあります。
すぐに儲かる、期間限定など甘い言葉に騙されない
なりすましDMは詐欺目的が多いものです。
手っ取り早くお金を稼げる、個人情報の提出要求、せかすような文章のDMは詐欺の可能性が高いでしょう。
期間限定、選ばれたあなただけの特典などの甘い言葉にも注意が必要です。
ここまで見分ける方法を紹介してきましたが、プロフィール画像や説明文を完全にコピーしていたり、一定の投稿数やフォロワー数を獲得してから詐欺被害をしていたりすると、見分けるのが困難です。
ディープフェイク、合成動画などの技術革新もあり、ますます見分けるのが難しくなっています。
少しでも不審だと感じた場合は、公式ウェブサイトにアクセスし、そのサイト内に記載されている公式SNSアカウントのリンクからアクセスするように心がけましょう。
今すぐできる!なりすまし防止の5つの対策

既に取り組んでいる方も多いかと思いますが、次の5つの対策を徹底しましょう。
二段階認証を設定する
最も基本的で効果的なセキュリティ対策です。
一段階目のID、パスワードが盗まれたとしても、二段階目のパスワードの入力に成功しなければ、SNSをのっとることができません。
二段階認証はSNSやアプリに発信されたログインコードを入力する、顔認証や指紋認証をするなどがあります。
また、ログインした際にログイン通知が来るようにしておきましょう。
ログイン通知がきたらどこからログインされたのかチェックしておくと、不審なログインがあった場合に速やかにパスワードを変更できます。
パスワードを定期的に変更する
覚えるのが大変なため、ついついパスワードを使いまわししがちです。
しかし、SNS間で同じパスワードを使っている場合、ひとつ突破できたら全て突破できてしまい、あっという間に全SNSをのっとられることになります。
特に、生年月日などの公開されている個人情報をパスワードに使うと突破されやすいので注意が必要です。
覚えるのが大変な場合は、パスワード管理ツールを使用するとよいでしょう。
個人情報を投稿に含めない
顔写真、位置情報、子どもの情報など、親しみやすさを出したいために投稿している人も多いでしょう。
しかし、詐欺師からすると 「リアリティのある素材が揃っている、とてもおいしい」 状態。
“自然な生活感のある投稿”を真似しやすくなるので、より本物に近い偽アカウントが作成できてしまいます。
認証バッジ(公式マーク)の取得を検討
申請の手間や費用がかかることがありますが、認証バッジ(公式マーク)を取得しておきましょう。
なりすましによる偽アカウントとの混同を防ぎ、ユーザーが誤って偽アカウントと交流するリスクを軽減できます。
定期的にエゴサーチを行う
定期的に名前、屋号、ブランド名で検索することで、偽アカウントを早期発見できます。
専門的なモニタリングツールも提供されていますので、利用を検討するものおすすめです。
また、お客様からの報告も重要な情報源です。
お客様には不審なアカウントを見つけたらすぐに報告してもらえるよう、日頃から呼びかけておきましょう。
もし“なりすまし”されたら?5つの対処法

対策をしていても、なりすまし被害を完全に防ぐごとはできません。
偽アカウントと接触して直接文句をいいたいところですが、それはNG。
感情的な対応になりがちになるだけでなく、さらに被害が増す場合があります。
だからといって、放置しておくと問題を先送りするだけで被害が拡大します。
冷静に次の5つのステップで対応しましょう。
偽アカウントを報告・ブロック
なりすましや乗っ取りが起きたときには、まずブロックしてから運営に報告し、なりすましアカウントの削除を依頼しましょう。
各SNSには報告するルートがありますので、チェックしておきましょう。
フォロワーへ注意喚起
被害を広げないために、フォロワーへの注意喚起が必要です。
「偽アカウントが存在することを確認して、運営に報告しました。
正式なアカウントは「◎○_◎○」です。
上記以外のアカウントからのDM開封やリンクへのアクセスは絶対にしないでください。
また、個人情報の入力を求められた場合も、入力しないでください」
などと、フィード投稿での告知やストーリーズで警告しましょう。
公式サイトを持っている場合は、サイトでも注意喚起します。
証拠を保存
SNSのなりすまし被害に遭った場合、証拠の保存は非常に重要です。
法的手続きやSNSプラットフォームへの通報の際には、具体的な証拠が求められます。
スクリーンショットやログがあれば、立証がスムーズになり、その後の対応、被害回復のための支援も得やすくなります。
なりすましアカウントのプロフィール、URL、投稿内容、フォロワーリストなど、なりすましの証拠となる情報のスクリーンショットを撮り保存しておきましょう。
ダイレクトメッセージやコメント、やり取りの履歴など、関連するメッセージのログも保存します。
複数人で通報をする
偽アカウントの通報数は多いほど、信頼度が高まるだけでなく、大きい被害と判断され審査対象になりやすくなります。
フォロワーに協力をお願いしてみましょう。
一方、通報依頼が広がると、なりすまし被害を受けたことが拡散されるリスクもあります。
金銭の被害が発生した時は警察・消費者生活センターへ
なりすまし行為自体は、直ちに犯罪とならないケースもあります。
ただ、金銭的被害や脅迫など、犯罪の可能性がある場合は警察、契約や悪質商法に関するトラブルは消費者生活センターに相談して指示を受けましょう。
企業・事業者アカウントが気をつけたい3つのポイント

個人のアカウントと異なり、企業・事業者アカウントは、複数人で運営することが多いもの。
SNS運用を外部に任せている人もいるでしょう。
複数人でアカウントを運営する際は次の3点に気を付けてください。
スタッフ・外部委託者とのアカウント共有にはリスクがある
アカウントを複数人で共有すると、「誰がどの操作をしたか」責任の所在が不明確になります。
アカウントのログイン情報は担当者ごとに分けて管理し、アクセスの履歴が追える仕組みを整えておくことが理想です。
やむなくパスワードを共有する場合は、情報管理を徹底させましょう。
運用ルール・権限管理の重要性
「SNSで何を発信するか」「誰がどこまで操作するか」というルールが曖昧なまま運用していると、意図しない投稿やブランドと合わない発信につながる恐れがあります。
特に外部に発信を任せる場合、投稿のトーンや表現ルール、承認フローをきちんと決めておくことが重要です。
スタッフや外部委託者には業務に必要な権限だけを付与し、全ての運用権限を与えないなど、権限を管理することでも被害を最小限に抑えられます。
定期モニタリング・セキュリティ教育の必要性
いくら対策をしても、なりすまし被害を完全に防ぐことはできません。
基本的なことですが、定期的なパスワードの更新、ログイン履歴・通知のチェック、モニタリングを徹底しましょう。
スタッフや外部委託先外部委託者には、怪しいDMに反応しない、見覚えのないリンクを踏まないなどのセキュリティ教育を定期的に行いましょう。
スーパー秘書がお手伝いできること
そうはいっても、忙しい中でなりすまし被害対策の準備をするのは大変です。
スーパー秘書では、 SNS運用マニュアル作成、モニタリング代行、スタッフへの注意喚起テンプレート作成などのお手伝いができます。
安心してSNSを運用するために

SNSのっとり被害は怖いものですが、今の時代、SNSを使わないリスクのほうが大きいといえます。
安心してSNSを運用するために以下の点を意識しましょう。
SNSは“発信ツール”であると同時に“リスク管理ツール”である
SNSというと、集客、ファンづくりなど“攻め”“発信”のイメージが強いかもしれません。
しかし、SNSは同時に「リスク管理のためのツール」であることも意識する必要があります。
なりすまし被害に対して、SNSは「最新情報を発信して注意喚起する」という役割も果たします。
万が一トラブルが起きた場合でも、正しい情報を迅速に発信することは、信頼を失わないために重要です。
自身のSNSを「信頼を守るための確認・告知の場」としても位置づけることで、より安心して発信活動を続けられます。
「防ぐ」ではなく「備える」姿勢が信頼を守る
なりすましアカウントの作成は、防ぎきれるものではありません。
そこで、防ぐ意識よりも、なりすまされた場合にすぐに対応できるよう「備える」意識が大切です。
アカウントの二段階認証を設定しておく、SNSログイン履歴を定期的にチェックする、
いざというときのために、連絡先情報や通報先を把握しておく、外部委託者とトラブル発生時の対応について事前に取り決めておくなど、対策を徹底しましょう。
こうしたささやかな備えが、あなたのブランドを守り、顧客からの信頼を維持する力になります。
スーパー秘書が支える“安心のSNS運用体制”
スーパー秘書では、セキュリティに注意して秘書スタッフが、あなたのSNS運用をサポートします。
厳重なID、パスワードの保管はもちろん、投稿内容の誤字脱字チェック、定期的なモニタリングも行います。
代理で投稿する場合でも、あなたのブランドイメージを守ります。 SNS運用が大変で本業に注力できないと悩んでいる方は、スーパー秘書にご相談ください。
まとめ:小さな対策が、大きな信頼を守る

なりすまし被害は、フォロワー数や企業・個人に関係なく、誰にでも起こりえます。
定期的なモニタリングという地味な作業を継続することが、なりすまし被害を最小限に抑えます。
講師やコンサルタントのように信用や人柄が仕事に直結する業種では、SNSは「信用の入口」であると同時に「信頼を守る守備の場所」です。
安心してSNSを続けるために、専門的なサポートを賢く活用しましょう。
スーパー秘書でも、定期的なモニタリング、偽アカウントのプロフィール・投稿といった被害証拠の保存、通報などのお手伝いが可能です。
SNS運用のマニュアル作成、代理投稿なども、あなたのブランドイメージに沿って対応します。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
