2024年4月9日
2019年10月23日
ベンチャー企業は創業時、利益は赤字でかつ社会的信用がないことが多いため、金融機関などから簡単に融資を受けることができません。そのため、ベンチャー企業は資金調達が困難であると言われています。そのようなベンチャー企業が頼れる出資先としてベンチャーキャピタルとエンジェル投資家があります。
この記事ではベンチャーキャピタルとエンジェル投資家について紹介します。
ベンチャーキャピタルについて
1. ベンチャーキャピタルの目的と仕組みについて
ベンチャーキャピタルとは、ハイリスクハイリターンを狙った企業・投資ファンドのことを言います。一企業が出資する場合もあれば、金融機関などがファンドを形成して出資する場合もあります。ベンチャーキャピタルから受けた出資資金について返済する義務はありません。その代わりに、ベンチャー企業の事業が軌道に乗り、株式上場かM&Aによるベンチャー企業を売却したときに得られる多額の資金から投資金額を回収します。これによりベンチャーキャピタルはベンチャー企業への出資で利益をあげています。
2. ベンチャーキャピタルから出資を受けるためには
ベンチャー企業への出資には高いリスクが伴うため、ベンチャーキャピタルは投資意思決定機関で同意が得られた場合、出資することになります。出資されるためにはまず、ベンチャーキャピタルに応募し、書類選考を通過する必要があります。
※ベンチャーキャピタルについては、一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会の会員一覧で調べることが可能です。
エンジェル投資家について
続きまして、エンジェル投資家について紹介します。併せて、ベンチャーキャピタルとの違いについて紹介します。
1. エンジェル投資家とは
エンジェル投資家とは、ベンチャー企業に出資する裕福な個人のことを言います。エンジェル投資家には元起業家や元会社役員などがいます。エンジェル投資家の出資目的はベンチャーキャピタルと同じでハイリスクハイリターンの投資を行います。ただし、エンジェル投資家の中には事業に投資するよりも、経営者自身に投資するというスタイルで投資判断を行うような人もいます。
2. エンジェル投資家から出資を受けるためには
エンジェル投資家から出資を受けるためにはまず、エンジェル投資家と出会う必要があります。例えば、起業家などが集うイベントに参加したり、インターネット上のビジネスマッチングサイトに登録して出会う必要があります。出会った後は、エンジェル投資家に自身の事業のことや経営ビジョンなどをプレゼンします。そこで共感が得られると出資してもらうことができます。
国内最大の起業家・投資家のコミュニケーションプラットフォームで、日本版エンジェルリストである、プロトスター株式会社が運営するスタートアップリストなどを活用するとよいでしょう。
3.ベンチャーキャピタルとの違いについて
エンジェル投資家とベンチャーキャピタルの違いについて2点紹介します。
1.エンジェル投資家のほうが出資してもらえる確率が高い
ベンチャーキャピタルは利益を得るために出資するため、より成功確率が高い事業しか出資しません。しかし、エンジェル投資家は個人で判断するため、共感を得ることができれば、出資してもらうことができます。
2. 出資してもらえる金額の違い
エンジェル投資家は個人であるため、多額の資金を出資してもらうことができません。おおよそ100~1,000万円が相場です。しかし、ベンチャーキャピタルは企業による出資であるため、エンジェル投資家以上に出資してもらうことができます。
以下、表で簡単に比較してみました。
ベンチャーキャピタルとエンジェル投資家から出資を受けるメリットとデメリットについて
最後に、ベンチャーキャピタルとエンジェル投資家から出資を受けるメリットとデメリットをそれぞれ2点ずつ紹介します。
1.メリット
メリット1は、返済の義務がないことです。ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家からの資金調達は出資であるため、返済の義務はありません。これらの資金調達は負債ではないため、経営者にとっての大きな負担を減らすことができます。
メリット2は、資金調達が容易になることです。創業時のベンチャー企業は社会的信用がないため、融資を受けることが困難です。しかし、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家から出資を受けているということは急成長が見込める企業として認定されるため、そのあとは資金調達がしやすくなります。
2. デメリット
デメリット1は、資金調達が経営者の腕や資質に左右されることです。ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家から出資を受けるためには事業内容をプレゼンする必要があります。その内容で共感を得なければならないため、ベンチャー企業の経営者はプレゼン能力を高めておく必要があります。
デメリット2は、思うような経営ができない恐れがあることです。特にベンチャーキャピタルは利益を獲得するために出資を行っています。そのため、事業成功確率を少しでも高めるために経営指導を行うことがあります。最悪の場合、利益を確保するために経営方針を大きく変更させられる場合があります。
まとめ
ベンチャーキャピタルとエンジェル投資家について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
ベンチャー企業にとってベンチャーキャピタルやエンジェル投資家は最良の資金調達先です。 しかし、出資先も利益を獲得するためにさまざまな手段を取ります。
ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家からの資金調達のメリットやデメリットを理解したうえで資金調達を依頼するようにしましょう。