2024年6月19日
2020年6月17日
小規模事業経営者の悩みの中でも、「人材」に関わるものは常にトップクラスにあげられます。
中でも、採用活動は、その人材に投資するかを判断する重要な場です。
しかし、残念ながら面接を有効に活用できていない企業も少なくありません。
あなたも誰かを採用する際、「この人でいいや」と妥協していないでしょうか。
激しい変化を生き抜くためには、自社のニーズに合致した優秀な人材を確保することが不可欠です。
そこで今回は採用面接のやり方について具体的に解説します。
採用面接で欲しい人材を見つけるには?
面接で欲しい人材を見つけるにはどのようなポイントが重要なのでしょうか。
採用を成功させるためには、主に2つ重要な点があります。
欲しい人材の要件を明確にする
驚くことに、どんな人材が欲しいのか明確にならないまま面接を行っているケースが少なくありません。
社長や人事担当者に「どんな人材が欲しいですか?」と尋ねると、「とにかく仕事ができる人」「地頭が良くて素直な人」など抽象的な答えが返ってくることがよくあります。
このように欲しい人材の要件が曖昧なままだと、面接で何を聞いたらわからず、面接に来た人が余程悪くなければ、「取り合えず」採用することになります。
採用面接を行う前に、経験、能力、価値観など、自社に必要な要素からどのような人材が欲しいかを明確にしましょう。
採用で妥協できない点を決めておく
あなたは採用の際に、「求める要件と少し違うけど、まあいいか」と妥協していないでしょうか。
時には妥協することも重要ですが、妥協しても良い点と妥協できない点を明確にしておかなければ本当に欲しい人材が獲得できません。
例えば、業務に必要なスキルのレベルを必須要件としておき、年収はXX万円までなら妥協できるといったように予め具体的に決めておくことが重要です。
採用面接の基本的な考え方
そもそもなぜ面接をするのでしょうか。
理由は、面接とは採用の一つの手段であり、直接、採用候補者と会える唯一のチャンスだからです。
面接の基本的な考え方をおさらいしてみましょう。
会社のアピールの場だと考える
大企業と比べて知名度があまり高くないスモールビジネスでは、応募者が「本当にこの会社で働いていいのだろうか」と考えていることも少なくありません。
面接は、応募者に対して会社や事業の魅力をアピールする場です。
「この会社で働きたい」と思ってもらうために、積極的にこの会社で働くメリットを伝えましょう。
一方で良い点だけを伝えると、入社後に早期離職につながる可能性が高くなります。仕事で大変な点など、デメリットも可能な範囲で伝えましょう。
人物確認をする
わざわざ時間をとって直接本人と会える場が面接です。
履歴書や職務経歴書などの書類では、人材のスキルや経験が実際よりも良く見えがちです。
そのため、面接では性格的に問題ないか、社会人としての基本的なコミュニケーションスキルがあるか、書類に嘘はないか確認しましょう。
思考力の確認をする
考える力が高い人材は、業務で何か問題に直面しても自ら解決策を見つけて自律的に仕事をすることができます。
一方で採用では、書類ではなかなか確認することが難しいのが思考力です。
というのも書類は本人ではなく、転職エージェントや就職アドバイザーの指導を受けて作成していることが多いからです。
また学歴が高くても、思考力は高くないという場合もあります。面接ではこうした自ら考える力を確認することも重要です。
思考力を問う具体的な質問方法はこのあと説明しますね。
人材を見極めるための面接官のテクニック
では実際に面接では、面接官としてどのように面接を進めていけば良いのでしょうか。
以下で、面接の効果的なやり方を解説します。
人材要件に沿って質問する
まずは予め決めておいた、人材要件に沿って質問しましょう。
例えば、自社の価値観に合致した人材が欲しいのであれば、自社の理念やバリューのどのような点に共感するかを質問してみましょう。
このように、予め人材要件に合致するかどうかを確認するための質問を用意しておくことで本当に採用すべき人材かを見極めることができるでしょう。
素を見るためにあえて動揺させる
応募者の中には、演技が非常にうまい方もいます。中には面接ではすごく饒舌にふるまっていたのに、入社後は雰囲気が全く違うという応募者もいるでしょう。
そうでなくとも応募者は自分自身をアピールするために、普段よりも自分をよく見せようとします。
そこであえて動揺する質問を投げかけて、応募者の普段の様子を探りましょう。
志望動機を確認する
志望度の高くない人材は、内定を出しても承諾せず他社へ就職してしまうこともあります。また、志望度が低いと入社後の早期離職にもつながります。
そのため、なぜ応募したのか、会社のどのような点に興味を持ったのか、他にはどのような企業に応募しているのかを確認しましょう。
価値観を確認する
たとえ優秀な人材であっても、会社と価値観が合わなければ高いパフォーマンスを発揮することができません。
例えば、スピードを最も重視する価値観として掲げている会社に、冷静さや落ち着きを重視する人材が入社しても活躍は難しいでしょう。
少しでも長く働いてほしいのであれば、自社の特徴的な価値観や社風をはっきりと伝えましょう。
欲しい人材を見つける面接質問集
理屈は分かったけど、面接でどんな質問をしたらいいかわからない。
ひょっとするとあなたはそんな風にお考えかもしれません。
そこで今回は特別に、すぐに面接で使える質問をご紹介します。
論理性を見極める質問
「なぜそうなったのでしょうか?」
「そこからどんなことを学びましたか?」
しつこくない程度に「なぜ」を繰り返すことで論理性を見極めることができます。
なぜという質問に端的に答えることができる方であれば、思考力も高い可能性があるでしょう。
ポイントは、最初にこれまでの失敗経験を話してもらい、なぜ失敗したのかを聞いてみると良いでしょう。
失敗要因を論理的に説明できれば論理性があると言えるでしょう。
同時に失敗からどんなことを学んだのか根拠をもって説明できるなら仮説を立てる力や推論する力もある可能性が高いでしょう。
創造性を見極める質問
「もし、何の制限もなく自由に何かをできるならあなたは何をしますか?」
抽象的なオープンクエスチョンは、創造性を見極めるために最適な質問です。
論理性の高い人材はこの質問が理解できず、質問の意図や意味を聞き返してくるでしょう。一方で創造性の高い人材は自由な発想で面白い回答をしてくる傾向があります。
普段の性格を見極める質問
「もし、明日世界が終るとしたらどんなことをしますか?」
突拍子のない質問は、応募者を動揺させ普段の性格を見極めることができます。
普段から自分の人生について深く考えている応募者であれば、この質問にすぐ答えることができるでしょう。
同時に、応募者が最も大切にしていることも明らかにできます。
志望度を確認する質問
「当社について最も魅力を感じたことは何ですか?」
「当社でやってみたいことは何ですか?」
志望度の高い応募者であれば、理念や事業など魅力を感じた点をはっきりと伝えてくるでしょう。
また、志望度の高くない応募者は、後者の質問に対して「営業」「新規事業」など職種や業務内容で回答します。
一方で志望度の高い人材であれば、自分自身のスキルや経験を活かして会社をどのように成長させたいかを話してくれるでしょう。
価値観を見極める質問
「あなたが働くうえで最も大切にしていることは何ですか?」
普段から自分自身の価値観を考えている応募者であれば、この質問にきちんと答えることができます。
少し抽象的な質問であるため、必要に応じて「お金」「やりがい」「人間関係」「スキルアップ」など具体的な選択肢を用意しましょう。
応募者が最も大切にしている価値観と自社の価値観が合致していれば、その応募者は自社にぴったりな人材と言えます。
成長性を見極める質問
「自分自身を高めるために、普段からどんなことに取り組んでいますか?」
ポテンシャルのある人材を採用したいのであれば、学習能力や学習意欲を確認しましょう。成長性の高い人材は、こうした質問にすぐに答えられ、かつ回答が具体的なほど学習意欲が高く成長性が高い可能性があります。
協調性を見極める質問
「人を巻き込むとき、最も大切なことはどんなことだと思いますか?」
回答内容も「相手の話をきちんときくこと」「相手を理解すること」など、相手目線であるほど協調性は高いと言えます。
まとめ
面接は真実の瞬間です。
応募者は一定期間自分の人生をささげる会社を選ぶ場面であり、採用側にとっては投資の中でも最も高いと言われる人材への投資を判断する場面になります。
人材を見極めて確実に欲しい人材に投資するためには、事前の準備が欠かせません。
人材要件や妥協点を明確にし、予め質問を用意しておきましょう。
そして時には1回で面接を終わらせず、双方が納得するまで面接を行うのも一つの方法です。