2024年6月20日
2020年1月27日
順調に自営業やスモールビジネスが成長していくと、「もっと売上アップしたい!」と感じる時がありますよね。 一方で、スモールビジネス経営者の多くは実際に売上アップに取り組むことはなかなか難しいと感じるでしょう。
売上アップにはもっとお客様を増やすことや、単価を上げる方法が考えられます。 しかしながら、実際にはどのように取り組めばよいのかがわからないですよね。
特に、事業を始めて数年以内の方は、自分一人で受託事業を請負ながら自社サービス構築に取り組むことの難しさを感じているのではないでしょうか。
そこで、今回はスモールビジネスがもっと売上をアップするのにおさえておくべき「ストックビジネス」の構築方法について解説します。
小規模事業経営者の悩みである、「もっと売上アップしたい!」を解決するためには?
まず、売上アップの方程式を考えてみましょう。売上は下記の基本方程式で表現できます。
売上=顧客単価×数量
ごく基本的なことですが、売上アップには、「顧客単価を上げる」または 「数量を多くする」のどちらかになります。
しかし、頭で理解していても、なかなか売上アップは簡単ではないですよね。特に、すでにある程度ビジネスが軌道に乗っている方であれば、なおさらです。顧客単価を上げるにしても、すでに販売している商品やサービスの単価を急に上げるのは難しいでしょう。また、数量を急拡大するのも自社のキャパシティを上げる必要がありますよね。
もし、あなたが今、売上アップすることが難しいと感じているなら、あなたは「フロー型」のビジネスをしているのかもしれません。
多くのビジネスは「フロー型」です。
「フロー型」ビジネスとは、1回売り切りの商品・サービスを何回も売るビジネスのことです。 「フロー型」ビジネスの特徴は、すぐに高い売上になりやすいですが、常に顧客を探さなければならないというデメリットがあります。また、顧客が途切れると売上が急激に下がります。
さらに、「フロー型」ビジネスは、販売活動を続けながら顧客獲得もしなければなりません。時間的にも人員的にも自社リソースが逼迫する状況になることが多いです。
あなたも、「長期的な投資を行いたいのに、目の前のお客様を対応しながら営業もする、売上を維持することは精一杯・・・」という状況に陥っていないでしょうか。
この状況を打破して売上アップするには時間的、人員的、そして財務的な余裕を作り出さなければなりません。
では、どのようにすればよいのでしょうか。
中小企業が売上アップする方法
現在のビジネスを維持しながら売上を拡大するには、以下の3つのステップを辿ります。
1. 既存ビジネスを「ストック型」へ転換する
2. 利益を「ストック型」ビジネスへ投資する
3. 上記の1と2で得られた利益をさらに「ストック型」ビジネスへ投資する
「ストック型」ビジネスとは、同じ顧客から継続的に売上アップする仕組みです。
携帯電話や電気料金などのいわゆる月額課金型(サブスクリプション)ビジネスが典型的な例です。また、化粧品販売のような一見、一回買い切りの商品に見えてもリピーターが繰り返し購入するのであれば「ストック型」と言えます。 「ストック型」のメリットは、新規顧客を積極的に獲得しなくても売上が安定的にアップし続けることです。
自社ビジネスの売上アップ連続転換するには、中長期的な戦略が必要です。
まず、既存ビジネスを「ストック型」へと転換することで、これまで新規顧客獲得に割いてきた時間的・人員的なリソースを解放します。
「ストック型」に転換するには、既存ビジネスをリピーターが継続的に購入する仕組みに変えなければなりません。たとえば、アクセサリー販売事業であれば、月額制で好きなアクセサリーを借りられるサービスに転換するという方法が考えられます。 一度、転換に成功すれば、あとはリピーターに対してアフターフォローを行うだけで安定的な売上が確保できます。
このようにして確保できた資金とリソースをもとに、さらに「ストック型」ビジネスに投資していきます。
中小企業が手を出せる「ストック型」ビジネスの代表例が不動産投資とフランチャイズです。不動産投資は、高単価で売上アップが継続的に効率のよいビジネスです。また、ビジネスの仕組みが完成しているので、素人でも簡単に参入することが可能です。
フランチャイズビジネスは既に成功しているビジネスの権利を購入するビジネスです。マクドナルドに代表されるように、既に知名度も商品もあるビジネスを簡単に手に入れられるのはとても魅力的ですよね。
このように既存ビジネスを「ストック型」に転換し、そして得られた資金をさらに「ストック型」に投資し、さらに得られた資金を「ストック型」ビジネスに投資することで雪だるま式に売上と利益を増やし続けることができます。
売上アップの具体例
では、「フロー型」から「ストック型」に転換を成功させた例を見てみましょう。
フロー型ビジネスの典型的な例が飲食店です。
特に、喫茶店は薄利多売のビジネスです。回転率や輸入品であるコーヒー豆の原価などが絡む難しいビジネスです。
その喫茶店業の中で、約40年にわたって成功しているのがドトールです。
ドトールは創業当初1杯150円という低価格のコーヒーを提供する個人経営の喫茶店でした。その後、ドトールは駅ナカや主要駅周辺に集中出店していきます。朝はコーヒーを飲みたいという通勤客を取り込み、リピーターを増やし続けてきました。また最近では、プリペイドカードの「ドトールカード」を発行し、リピーターが増える努力をしています。ドトールの場合、単価を下げ、その代わりにリピーターを増やすことで「ストック型」へと転換し安定的な収益を実現してきました。
また、いまや世界的大企業に成長したソフトバンクも、もともとは「フロー型」ビジネスでした。ソフトウェアの卸販売からスタートし、そこで稼いだ資金をインターネットビジネスやADSL、携帯電話などの「ストック型」ビジネスへと投資していきました。
このように、ソフトバンクのような巨大企業も最初は小さな「フロー型」ビジネスからのスタートだったのです。
あなたも信念をもって中長期的な成長戦略を描くことができれば、十分にビジネスを大きくすることが可能です。
売上アップは業務整理から
もし、あなたが持続的に売上アップを考えているのでしたら、まずは「ストック型」ビジネスへの転換を含む中長期的な戦略を考えてみましょう。 綿密に計画を練れば、自社の強みを活かした成長を実現できるでしょう。
一方で、売上アップには、まず自社の業務を効率化することも重要です。業務を整理して、定型業務は外注化しましょう。そして、業務棚卸で空いた自社のリソースを「ストック型」ビジネスの開発に振り向けるのです。そのようにすることで、より生産性を高めることができるでしょう。
ぜひ売上アップにチャレンジしてみてください。
参考文献:小泉雅史(2019年3月1日)『中小企業の「ストックビジネス」参入バイブル』クロスメディア・パブリッシング