
今や、「人生100年時代」とも言われて、かつてない高齢化社会になっていますね。
今年に入ってからは、「老後資金貯蓄2,000万円が必要」という金融庁が発表した報告書の報道があったことも記憶に新しいです。人生100年時代を見据え、定年退職後の人生が延びるため、公的年金制度に頼った生活設計だけでは資金不足に陥る可能性にあるということになります。これまでよりも長く生きる以上、多くのお金が必要となり、長く生きることに応じて資産寿命を延ばすことが必要になってくるということですよね。
もちろん、老後のための資産形成が必須になってくることは間違いありませんが、資産の懸念だけではなく、「定年後も働き続けたい」、「完全引退(収入を伴う就労をやめること)をしたくない」と希望する人も多いです。
参照:2018年 50代・60代の働き方に関する意識と実態|明治安田総合研究所
長寿化する今後のことを見据えて、ミドル世代(35~54歳)、シニア世代(55歳以上)にとっては、転職に興味があっても今から転職をするのは二の足を踏んでしまい、悩む人もいらっしゃるかもしれません。そこで、おすすめしたいこれからのキャリアを考える方法の一つが「副業」です。
今回は、人生100年時代を見据えて、ミドル・シニア層だからこそ考えるキャリアと副業についておさえておくべきポイントをお伝えしていきます。また、ミドル・シニア層向けに求人事情やキャリアステップに関する充実しているコンテンツを提供している「キャリア50」を運営する、株式会社ミデア様にインタビューも実現。ぜひ併せてご覧ください。
これまでの経験やスキルを活かせるチャンスがある!

昨今は、大手企業でも副業を解禁する傾向で、禁止されていた副業が認められる時代になりつつあります。 副業のメリットは、本業で固定収入を得ながらも、新たなことにもチャレンジできるうえ、収入を得ることが可能です。また、副業することで、本業の延長上のスキルや新たなスキルが得られる可能性もあります。
40代、50代になると、新たに転職活動をして再就職をすることに抵抗感がある方が多いかもしれません。特に、新たな業種での転職はハードルが高く、年収も大幅にダウンするケースがあります。転職で年収アップを狙うということであれば、これまでの経験やスキルが重要になってきます。
ミドル層やシニア層は、これまで培ってきた経験やスキルはそれなりなものになっていますよね。今まで培った経験やスキルを、副業という観点では十分に活かせるチャンスがあります。本業の延長上で副業を行えば、本業との相乗効果も発揮できます。副業をしながら定年まで本業に専念し、定年後は副業を活かして新しいキャリアとして働くという選択肢も可能です。
また、自分で事業を起こすことを考えている人によってはいきなり起業をするのはリスクも高いです。本業がありながら副業をスタートすることで、本業の固定収入を得ながら、今後、自身で事業としてやっていけるかを見極めることもできます。
このように、定年後を見据えて、今後のキャリアを見つめ直したい40代や50代にとっては、副業はこれからのキャリアを形成するうえでもステップアップとして活かせる方法といえるでしょう。
ミドル・シニア層の副業で気をつけるポイント

・本業との時間や労力のコスト管理
本業もありながら副業もする場合は、スキル、人脈、ナレッジ、やりがいなどを本業と相乗効果を得ることができますね。一方で、本業との時間や労力のコスト管理が難しいということも出てくるので、時間管理には注意が必要です。
・体力に負担がかからない副業を選ぶ
40代、50代は体力的にも負担がかからない副業を選ぶことも大切です。若い時にできていた作業などが40代、50代になっても同じようできるとはかぎりません。力仕事で無理をすると、本業にも影響を及ぼしかねませんので、自分の体力と向き合って副業をすることも忘れないようにしましょう。
昨今、インターネットを介して仕事の受発注も広がっています。ライティングをはじめWeb制作、事務サポートなど、主にインターネット環境とパソコンやタブレットなどのオンラインツールがあれば在宅ワークで対応することができる副業も多いです。力作業などの体力が必要ない職種も多い時代になっているので、自分にあった副業を選ぶとよいでしょう。
ビジネスオンラインツールにも慣れておく

昨今、クラウドワークスなどのようにインターネットを介して仕事の受発注が広がっています。つまり、オンライン上でのコミュニケーションを取りながら副業をすることになります。
相手とリモートでコミュケーションを取るということは、相手が今、どのような状況でどのようなコミュニケーションを取るのがよいのかを判断してフレキシブルに柔軟に対応するスキルも求められます。
今は、例えば、Zoom 、Chatwork、Slackなどのビジネスオンラインツールが多くなっています。これらのビジネスオンラインツールを駆使してコミュニケーションを取れるように、ITスキルにも抵抗がないITリテラシーも求められるでしょう。
ミドル・シニア層のキャリアステップ支援サービスを活用してみる

では、実際にミドル・シニア層の方が、次のキャリアステップを考える場合、「何から手をつけたらいいのか?」、「どうやって仕事を探したらいいのか?」など、悩まれる方もいらっしゃると思います。
参考になるサービスの一つに、「キャリア50」があります。ミドル・シニア層向けに求人事情やキャリアステップに関する充実しているコンテンツを提供されています。このようなキャリアステップ支援サービスを活用してみるのもよいでしょう。
今回、「キャリア50」を立ち上げた、株式会社ミデアの奥山様に事業立ち上げの背景や想いについてお話を伺うことができました。

1. 「キャリア50」を始めたのはいつですか?
2018年7月にカットオーバーしました。現在は、ミドル・シニア層を取り巻く求人事情やキャリアステップに関するコンテンツを充実させていますが、2020年1月には求人情報提供サービス、転職支援サービスをリリースする予定です。
2. 奥山さんが「キャリア50」を立ち上げた経緯を教えてください。
リクルートに16年、インテリジェンスに6年在籍し、社会人教育や人材サービス業界に身をおいていました。退職当初は、フリーランスでWEBディレクションをメインに活動していたのですが、業務を拡大するべく2014年2月に株式会社ミデアを設立しました。
インテリジェンス在職中より大学院に通い、「ミドル・シニア向けサービス」の研究をしていたのですが、最終的な結論は「10年~20年先の日本が元気な国であり続けるためには、高齢者と主婦層の就業がいかに活性化しているかが大事」というものでした。
大学院での研究を通じて「ミドル・シニア向けの人材サービスをやろう」と決心したとき、同じように業界経験が長く、シニア層の仕事とキャリアに問題意識がある仲間が加わりました。2017年8月にミデアは人材紹介事業を立ち上げ、採用サイト制作との2本柱を軸として展開していくことになります。そして1年後、ミドル・シニア向けのキャリア・求人情報を提供するメディア「キャリア50」をカットオーバー。現在は、採用に課題を抱えている企業のサポートと、ミドル・シニア層に対するキャリア提案に注力しています。
3.「キャリア50」を利用するのはどういった会社ですか?
大企業ほどネームバリューのない中小企業、採用がうまくいっていない業界、ミドル・シニア採用に積極的な企業がターゲットとなります。ミドル・シニアの経験や社会貢献に対するモチベーションを活用したいという企業と一緒に、マーケットを広げられればと考えています。
4. 「キャリア50」にかける想い
現在の日本は、企業も求職者も「社員は若いほうがいい」「転職は20代で」といった旧来からの常識に囚われているように感じます。
ミドル・シニアのみなさんが、自分自身の経験やスキルをしっかり整理できれば、新たなキャリアやライフワークといえるようなテーマが見えてくるのではないかと思います。「50歳を過ぎると、いい求人がなくなる」などとネガティブにならないでほしいですね。高齢者が増え、時代は確実に変わろうとしています。時間はかかるかもしれませんが、「キャリア50」で多様な成功事例を作り、ミドル・シニア層の素敵なキャリア形成を支援し続けたいと考えています。
ミドル・シニア層のキャリアステップに向けて

本業があっての副業。副業は本業で固定収入を得ながら、お試し転職のように新しい仕事に挑戦できます。
人生100年時代のこれからを見据えて、無理なく、楽しく、長く続けられる、自分にとってメリットの大きいキャリアステップを選びたいものですね。
ミドル・シニア層の方で、今後の働き方やキャリアに不安を感じている方は、ぜひ参考になさってみてください。